大阪商業大学とのフィールドワークゼミ レポート①

中央市場ってなんだろう・・・?

私達水産組合は、かねてより市場活性化について、大阪市企画課のご協力のもと、大学の教授と検討会を何度も開催し、中央市場の役割とは・・・と話し合ってきました。

今回は、大学の授業の一環で東部市場に学生が来場し、市場の問題について共同で検討していくことにより若い方の意見や目線での市場活性化や、イメージアップにつながる様、進めてきたことについてのレポートをアップしてみようと思います!


『フィールドワークゼミナール』とは教室からフィールドへ
社会的問題解決能力を備えた人材養成。

大学の学修において、学生が社会の現状を分析し、その中から社会が抱える問題を発見し、解決策を見出し、自らが率先してそれを遂行していく能力、すなわち社会的問題解決能力を養成していくことが、社会のニーズとして強まっています。そして大学には、高い問題解決能力を備えた学生を数多く社会へ輩出することが期待されています。
社会的問題解決能力は、講義によって得られる教養と専門知識を、フィールド(実社会の現場)において実際に活用させる実践教育によって、効果的な修得が可能となり、飛躍的に向上します。ゆえに、学生の問題解決能力をのばすためには、従来の座学による学びに加え、実践教育による学びの機会を提供することが重要となります。そこで、大学では、社会的な課題をテーマとしてフィールドワーク(現場での活動)に基づく演習を実施することで、社会が求める社会的問題解決能力を備えた人材の養成を図ります。

大阪商業大学 加藤教授のゼミによるフィールドワークにより、学生達が来場し、学んだことを報告してくれました。

今回はレポート①を公開致します☆

➀ 卸売市場についての知識をより深めるため

東部卸売市場の仲卸業者の方にお話を伺いました

場所:大阪市東部中央卸売市場

水産物仲卸業者さんのご協力のもと、実際の加工の様子やどのような工夫をされているのか、お話を伺いました。中央卸売市場の仲卸業者さんというと、全国の漁港から送られてきた鮮魚をセリ落とし、それをそのままスーパーや飲食店に卸していると思っていましたが、実は鮮魚を加工して販売している場合も多いようです。また加工と言っても魚を切身にするだけではなく、それを漬け込み包装して販売したり、さらに魚肉ソーセージのようにすり身にして成形して小売に販売したりすることも、最近の仲卸業の仕事に含まれていることには、少し驚きました。大学の授業で聞いた「付加価値」をつけて販売するというのは、こういうことなんだと理解できるようになりました。

付加価値は、他の企業さんに負けない特徴をもつこと=「差別化」につながることも大学で学びましたが、見学した仲卸業者さんは「食の感動を食卓に」ということを目標としており、黄色い添加物入りの味噌が主流だった時代も、無添加の茶色い味噌で勝負し、おいしさを広げていったそうです。今、黄色い味噌を見かけることがなく、私たちの食卓に無添加の茶色い味噌が当たり前になっているのも味噌を製造している企業の努力だけではなく、それを魚という素材を加工して販売している仲卸業者の方の「食へのこだわり・熱い思い」とも関連しているのだろうなと、あらためて考えさせられました。

現在の課題として、四方を海に囲まれ、魚介資源に恵まれた日本には独特の「魚」文化が育ったにもかかわらず、日本人の魚離れが進んでいることは日本文化の衰退につながるのではないかというお話がありました。魚屋さんの数が減り、買う場所もスーパーと変化しており、販売員からのおいしい食べ方や、旬が知られていないのも原因なのではないかと意見を交換しました。「魚って美味しんだっ」を広げていくのかが東部卸売市場活性化のための今後の、ゼミのキーワードとなりました。

【文責:商学科 3回生】

若者の魚離れは本当に私達水産業者の課題となっています。魚の旬・美味しい食べ方などもっともっと知っていただきたいと常々思っていたので、こういった体験で少しでも東部市場のこと、流通の経路、お魚のことを考えていただく機会があり、私達も大変嬉しいです。東部市場は他の市場とは違った付加価値があることを知っていただけました。

「魚って美味しんだっ」を広げていくのが東部卸売市場活性化のため!という貴重なご意見が出ました!

レポートは第2弾へと続きます。